満福社長は幕末（徳川幕府末期）が大好きです。今回、その徳川幕府の軍勢の最後の戦いの地となった北海道函館市に行きましたので、幕府側の志士だった土方歳三という男の足跡を辿ることにしました。
鎖国政策をとりながら約260年もの間、日本を統治した徳川幕府。
世界の潮流から隔絶された泰平の世は、植民地を求めて海外に進出する諸外国の干渉により、否が応でも混乱の渦に巻き込まれていくことになります。
この頃には徳川幕府の打倒を狙う長州藩（山口県）を中心とした勢力が、天皇の後見を取り付けようと、当時御所があった京都府にて暗躍します。
これに対して取り締まりを行うべく、幕府側が組織したのが、かの有名な【新撰組】です。
新撰組は局長の近藤勇を筆頭に、沖田総司や斎藤一など、後世では幕末のスーパースターとなった人物が勢揃いです。その現場班のリーダーであったのが、新撰組副長の土方歳三でした。
その後、大政奉還により政権を天皇側に返上した旧幕府軍と新政府軍の間で戊辰戦争が勃発すると、新撰組の隊士たちも旧幕府軍として参戦します。
土方は鳥羽伏見（京都府南区周辺）の戦いを皮切りに、泥沼の敗走を続ける旧幕府軍の中で、奮闘しながら会津（福島県会津若松市）防衛戦、箱館（函館）戦争と転戦します。
途中で近藤や沖田らが命を落とす中、新撰組の隊長達の中では最後まで戦い続けたのが土方歳三なのです。
函館駅を降りるとすぐに目に飛び込んでくるのが、誠の文字の提灯です。新撰組が重んじた精神で彼らの羽織の背中に描かれていたと言います。
函館駅の北東に位置する【五稜郭（ごりょうかく）】は江戸時代に作られた、蝦夷（北海道）防衛の要である西洋式の要塞でした。新政府軍に追われ北海道に渡った土方らは、ここに新たな政府を樹立しようと画策します。
五稜郭は外周を高さ数メートルの土塁によって守られており、防衛戦を行う際には、守備側が有利な銃砲の火線を確保できるように設計されています。
内部では星型の土塁の各所に自由に動くことが出来る為、各方面から攻めてくる敵に即座に応戦が可能です。
実際に土塁に上がって見てみると、外堀に迫った敵は隠れようがありません。星形の各先端から挟み撃ちのような形、いわゆる十字砲火で撃ち下ろされる仕組みがよくわかりました。
これらは五稜郭の隣に建つ五稜郭タワー内に展示されている、当時の兵器（レプリカ）と土方の銅像です。函館に行った際にはこちらも是非ご訪問ください。
やがて、北海道に上陸して来た新政府軍。土方らはこれの函館侵入を阻止せんと戦います。土方が防衛していた函館へのルートでは何度も新政府軍を撃退しますが、他の守備隊が守る別ルートが突破され、やむなく函館まで退却します。
その後、新政府軍の総攻撃の前夜、土方らを含む旧幕臣達は、現在の金森赤レンガ倉庫街の側にあった武蔵野楼という妓楼で最後の別れの盃を交わしたと言います。
明治2年（1869年）5月11日未明、100万ドルの夜景で知られる函館山の裏側（函館市街の逆側）から、崖をよじ登って奇襲を仕掛けた新政府軍により、新撰組からなる函館山守備隊は敗走し、麓の海岸にある弁天台場という出島に追い詰められます。五稜郭でその知らせを聞いた土方は、新撰組部隊を救出すべく、五稜郭と函館山の中間あたりに位置する、一本木関門より部下約50名を引き連れ出陣します。函館山の麓にある弁天台場まで約3.2㎞ほどの地点です。
この時、土方は函館山方面より逃げてくる味方の兵に対し「退くものは切る」と号令を飛ばし、軍勢を立て直して不利な戦局をなんとか打破しようとしています。
一本木関門から約1.8㎞ほど函館山方面に進んだ、旧異国橋付近（現在は埋め立てられて川はありません）まで来た時に、馬上で指揮をとっていた土方を新政府軍の銃撃が襲います。
腹部に銃弾を受けた土方は落馬し、そのまま帰らぬ人となりました。享年は35歳だったと言います。
この後、継戦に必要な船舶、物資等の大半を失った旧幕府軍。圧倒的な兵力の差もあり、新政府軍に降伏します。これにて一連の戦いである戊辰戦争は終結したのです。
新しい時代を願って、それぞれの想いや夢が交錯した激動の幕末を生き抜いた志士達。その一人の物語の最後に立ち会ったようで、なんとも言えない感情を覚えました。
今回の函館訪問はとても良い経験になりました。ここに書かなかったサブストーリーもたくさん調べてきましたので、興味のある方はぜひ満福不動産に遊びに来てくださいね。
